野方工作所

野方幸作が気まぐれで書いてるあれこれ。もしかして無線軍事警察消防鉄道アニメ全分野を一つのブログでカバーするのは不可能じゃないかと思い始めてる。コメントや質問などはお気軽にどうぞ。頂けると狂喜乱舞します

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

web拍手 by FC2
  1. --/--/--(--) --:--:--|
  2. スポンサー広告

実物・明治十九年式軍衣袴

実物の明治十九年式軍衣袴が手に入りました。
明治十九年式軍衣袴01

しかし如何せん状態が悪く、文字通り触ったら崩れてしまいそうなぐらいです。
その上、前ボタン全欠損、虫食い多数、随所にカツオブシムシの死骸ありで処理が大変です。
ムシューダでも喰らって死に絶えろ。
さすがにクリーニングに出しても拒否されかねないので、
今回はプロ任せという選択は出来そうもありません。

ここまで状態が悪いと、吊るすとその内最悪虫食い穴から上下に引き千切れかねません。
平置きで保存するよりほかないですね。


それでは細部を見ていきましょうか。

まずは軍衣。
明治十九年式軍衣101
生地が以前購入したものより薄く、色も黒というより濃紺色です。

生地が薄いのは、対露開戦を視野に入れてなかった時代のものだからでしょうか。
寸法は以前のものより小さいように感じます。
明治十九年式軍衣102

九八式の六號よりも小さいです。
明治十九年式軍衣104


中田製の二種帽と。
明治十九年式軍衣110
色はほぼ一緒ですね。
生地も似たような感じです。


胸部に勲章用の糸かがりの形跡が上下に2つほどあります。
明治十九年式軍衣103
上が従軍記章、下部が勲等章ですかね?
明治二十七八年従軍記章と勲八等瑞宝章あたりでしょうか。


袖章。
明治十九年式軍衣105
上等兵ですね。


肩章は縫込み式です。
明治十九年式軍衣106
どうやら前オーナーは歩兵第六連隊所属の上等兵のようですね。
歩六ということは所在地は愛知県名古屋市ですね。

この肩章もじっくり見てみるといろいろなことが分かります。

連隊番号は白い絨を緋絨にまつり縫いで縫いとめてあり、
下地は軍衣と同じ紺の羅紗地。
明治十九年式軍衣107

下地の方は切り出しですが、緋絨は折り返して縫われてあります。
明治十九年式軍衣109



襟の形も以前の分と異なり、丸みを帯びています。
明治十九年式軍衣111


ホックは現存してませんが、跡や襟の形状などから察するに
おそらく一つだけホックがあったものと推定されます。
明治十九年式軍衣112

以前購入した分は二つでしたね。
明治十九年式軍衣07



剣吊り。
明治十九年式軍衣113
しっかり残ってますね。
内側には革が貼り付けてあります。

実はこの剣吊りが製造年次の重大なヒントになっていました。
以前購入した分と形が違うんですよね。
比べると一目瞭然です。


きっかけは偶然三十年式銃剣の剣差しが目に留まったことです。
三十年式銃剣差し101
「そういえば三十年式銃剣だけが日本軍の銃剣じゃないよな」
と思い出し、合わせてみたのです。


まず以前購入した分。
明治十九年式軍衣115
ぴったりですね。


そしてこれが今回購入した分。
明治十九年式軍衣114
合わないですね。

さすがに十三年式銃剣や二十二年式銃剣の剣差しは持っていないので
詳しい時代は分かりませんが、前述の勲章用の糸かがりを見るに、
たぶん二十二年式銃剣のじゃないかな、と思います。



内張りが全てはがされています。
明治十九年式軍衣116
元から無かったのかとも思いましたが、
よくよく見るときれいに取っ払った形跡がありました。
甲標記も乙標記もそもそも内張りが無いのでいつ作られたのか分かりませんが、
おそらく明治二十二年以降だろうなと思います。




続いて長袴。
明治十九年式長袴01
この頃の軍袴は騎兵科や輜重科などを除いて全兵科で長袴が支給されてました。
生地は軍衣よりも厚手のものが使用されてます。
色合いは軍衣と同じ濃紺色です。

歩兵科なので側線が赤いですね。
側線は緋絨で出来ています。

右側線。
明治十九年式長袴02

左側線。
明治十九年式長袴03


因みに、側線はポケットから始まってます。
明治十九年式長袴04



裾。
明治十九年式長袴05
切りっぱなしではなく、しっかり折り返されてます。



前ボタン部分。
明治十九年式長袴06
ボタンは全欠損です。
この頃の軍袴用のボタンはどんなものだったんでしょうね?
一つだけでいいから欲しいですね。



左ポケット部分。
明治十九年式長袴07
別の生地を継ぎ接ぎした跡があります。
これは見る限りだと、支給された後に補修したものだとかではなく、
元からこうだったようです。
生地の節約で端切れの生地をつなぎ合わせてここに使ったのではないかと思います。


ところでこの長袴、寸法直しをした跡があります。
明治十九年式長袴16
どうにも切り返しより上の部分が短いです。



検定印。
明治十九年式長袴08
歩兵第六連隊、明治十九年製造、第一大隊、第二中隊、明治二十年十二月供用。
甲標記だけで、乙標記はありませんね。
不思議なことに印の方には明治二十一年製造とあり、十九年と上書きされてます。
これは鎮台が明治二十一年に廃止され、連隊となったことが関連してるんですかね?

明治十九年製造で歩兵第六連隊所属なので、所有者は軍衣の所有者と同一人物だと推定できます。
むしろ断定しても問題ないでしょう。

甲標記のすぐ傍に、なにやら検定印らしいものがありますが、
寸法直しのためか見切れてます。
明治十九年式長袴09

寸法は五号、納入業者名には大倉納とあります。
明治十九年式長袴10

別の検定印らしいものもありますが、こちらも見切れてます。
明治十九年式長袴11
しかし、この真上の部分がほつれており、辛うじて読むことが出来ます。
どうやら「第笠菱」とあるようです。
・・・・・・第笠菱?
何だ第笠菱って?

尾錠部分。
明治十九年式長袴12
この頃はまだ軍袴に腰紐がなく、ここで腰周り寸法の調整をしたようです。


この尾錠も何度か付け替えた形跡があります。
明治十九年式長袴14
明治十九年式長袴15


よくよく見ると右尾錠の部分にも何らかの印が押してあります。
明治十九年式長袴13




さて、以上明治十九年式軍衣袴についてあれこれ書きましたが、
正直詳細がよく分かりません。
明治三十年以前は十三年式・二十二年式銃剣の剣吊りが付き、生地は薄い濃紺羅紗地。
三十年以降は三十年式銃剣の剣吊りと、黒い厚手の羅紗地・・・・・・でいいのでしょうか?
黒い羅紗がいつから使われ始めたのかが気になります。
対露開戦を視野に入れ始めたから黒い厚手の羅紗地を使用したのか、
はたまた何らかの要因から生地を変更したのか・・・・・・
単に連隊の所在地によって生地を変更した可能性もありますが、
「大日本帝国軍」という組織は、成立した時点で海外への遠征は視野に入れていた筈なので、
その線は薄いでしょうね。

いやあ、興味は尽きないですね。
スポンサーサイト

web拍手 by FC2
  1. 2013/03/05(火) 11:56:57|
  2. 日本軍
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:6
<<GIRLS-und-PANZERのブルーレイを買った話 | ホーム | 階級章とかを買いました>>

コメント

はじめまして!

はじめまして!
他のプログより流れ着いた者です。
宜しくです。

当方も明治期の軍服・装備品が好きでついつい
投稿しました。

野方さんのプログの明治十九年制定下士卒軍衣
上・下を拝見致しました。

上・下共に「官給品」ですね!

失礼ですが、記載に有る「黒羅紗地」は「在郷軍人用」ですよ!
「官給品」は制定当初から濃紺地ですよ!

濃紺地でも「目地が粗い羅紗地」ですね!
それに比して「在郷用」は目地が詰まった黒羅紗地で
です。

明治当初は被服等は後の「被服廠」が無く各連隊・部隊で調達していましたよ!

軍袴の前釦ですが、参考までに当方が所持している
画像を掲載します。

http://pub.ne.jp/cosmic/image/user/1354315488.jpg

これからも、時々、投稿させて頂きます。
宜しくです!
(初めてなのに色々と生意気な内容を投稿しましたが、お気に触りましたら
プログ管理者様で「削除」して下さい)



  1. 2013/05/25(土) 03:14:10 |
  2. URL |
  3. 参謀本部 #z8Ev11P6
  4. [ 編集 ]

Re: はじめまして!

>>参謀本部さん
初めまして!
コメントありがとうございます。
よろしくお願いいたします。

>失礼ですが、記載に有る「黒羅紗地」は「在郷軍人用」ですよ!
>「官給品」は制定当初から濃紺地ですよ!

てっきり明治30年代ごろから黒い羅紗地だと思っておりました。
「黒羅紗」は在郷用で、官給品は総じて「濃紺地」なのですね。
ありがとうございます!

軍袴の釦の写真提供、ありがとうございます!
見た感じですと、前釦は金属製なのでしょうか。


>明治当初は被服等は後の「被服廠」が無く各連隊・部隊で調達していましたよ!

そういえばこの頃はまだ被服廠に相当するところは無いんですね。
失念しておりました。

最後になりましたが、「生意気だ」なんてとんでもないです。
これからも是非ご指摘の程、よろしくお願いいたします。
  1. 2013/05/26(日) 01:01:29 |
  2. URL |
  3. 野方 #-
  4. [ 編集 ]

「スパム」状態の参謀本部で~す!

まず、「軍袴」の前釦ですが、以前、画像を送りましたが、当方の間違いで
「在郷用」を送信してしまいました。(ゴメンナサイ!)
下記が「官給品」です。

http://pub.ne.jp/cosmic/image/user/1369613790.jpg

参考までに(ならないとは思いますが・・・)
プログの「東京・御徒町製」の軍帽と今回の軍衣では
色合いも生地質もカナリ異なりますよ!
「御徒町製」は黒地ですから・・・

軍衣の胸に在る「糸懸かり」は「射撃記章」「銃剣術記章」を取り付けた後でしょう。
因みに「勲章・従軍記章」は軍衣の第一釦付近に付けます。
第二釦の付近は上記の記章を付けますよ!

襟のホックは明治期の軍衣では2箇所が「正規」ですが、1箇所の場合は部隊の「縫工兵」に頼んで直して
貰うケ-スが在ったようです。

「剣差」ですが、プログの剣差の形状は明治30年からで、それ以前は「黒牛革」で形状も少し大型です。
野方さんの軍衣の剣吊には合わないと思います。

軍袴ですが明治期は「長袴」が基本すが、将校・下士卒にも「短袴」が有りましたよ!(今日では貴重品です)
なぜか「輜重兵」のみズボンの裾に約50~60㎝位の紐が付属します。

長々と記載したお詫びの印に当方が所持している「明治グッズ」の画像を掲載させて頂く事をお許し下さい。
http://pub.ne.jp/cosmic/image/user/1369615083.jpg
http://pub.ne.jp/cosmic/image/user/1369613246.jpg
http://pub.ne.jp/cosmic/image/user/1369613935.jpg
http://pub.ne.jp/cosmic/image/user/1369613935.jpg

また、今回も失礼しました!
  1. 2013/05/27(月) 04:07:59 |
  2. URL |
  3. 参謀本部 #z8Ev11P6
  4. [ 編集 ]

>>参謀本部さん
毎度どうも。


ロットの違いかどうかは知りませんが、御徒町製の二種帽は生地質は兎も角、
濃紺で色合いは結構似てましたよ。
生地質は現代の柔らかい生地でしたが。


第二釦周辺は射撃記章などでしたか。
「位置が低いなあ」とは思っていたんですがなるほどそうですか・・・・・・

ホックの数は本来2つなんですね。
長袴のほうも何度か直した跡があるので、縫工兵殿の手によるものかもしれませんね。

三十年式銃剣以前の剣差は黒牛革だったんですね。
ありがとうございます。

騎兵科なんかは短袴(乗馬袴?)でしたね。
しかし輜重兵は裾が紐があるんですね。
毎度勉強になります。
  1. 2013/05/27(月) 23:29:52 |
  2. URL |
  3. 野方 #-
  4. [ 編集 ]

ど~も!毎度さんで~す!

失礼ながら当方は「複製品」は収集対象外ですので
東京・御徒町製がどの様な出来かは判りませんでした!
(この様な軍装プログで御徒町製の批判を掲載するとバッシングが多いので・・・)

野方さんの、プログの軍衣の元の所有者は非常に
優秀な上等兵だったと思いますよ!

明治期品の官給品は今日では非常な程「貴重品」です。
例え程度が悪くても「官給品」は少ないですから!
(況して、肩の連隊番号が初付けは少ないです)
大事にされた方が良いですよ。
問題は「保存方法」ですね!

野方さんもプログに記載されていますが、まず、ク-リニング屋では
「明治服・大礼服」は拒否されますね。
仕方が無いから、当方では一度、水に漬けてそのまま乾くまで何日も干していますよ!
そして「100円ショップ」で買った防虫剤を多く入れて
保存しています。
以前購入した「明治十九年制定の屯田工兵一等卒上・下」も野方さんのより
状態が悪いですが、上記の方法で保存してます。
(上記の例は「自己流」ですので・・・)

では、またお邪魔します。
  1. 2013/05/28(火) 22:03:59 |
  2. URL |
  3. 参謀本部 #z8Ev11P6
  4. [ 編集 ]

>>参謀本部さん

ありがとうございます。

私の場合この軍衣袴は取り敢えずまず目に見える虫などを払った後、
たたんで、防虫剤とともに衣類用の収納袋に詰めて保管しています。
しかし、いったん水につけて乾燥させてから保管する方法も有効そうですね。

尤も、水に漬ける勇気が私にはありませんが・・・・・・
  1. 2013/05/29(水) 22:28:12 |
  2. URL |
  3. 野方 #-
  4. [ 編集 ]

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://nogatake.blog.fc2.com/tb.php/78-a76a1635
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。