野方工作所

野方幸作が気まぐれで書いてるあれこれ。もしかして無線軍事警察消防鉄道アニメ全分野を一つのブログでカバーするのは不可能じゃないかと思い始めてる。コメントや質問などはお気軽にどうぞ。頂けると狂喜乱舞します

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金鵄とゴールデンバットと雑嚢と。

金鵄あがって十五銭 栄えある光三十銭
朝日は昇って四十五銭 紀元は二千六百年
あゝ一億の民は泣く

これは紀元二千六百年の替え歌で、
当時の物価の値上がりに対し全国的に歌われたらしいです。
私は少年Hでこの歌詞を知りました。
最近になってこのくだりを読み返そうと本を繰ったのですが、見当たらないのです。
少なくとも「紀元二千六百年」以降「十二月八日」以前のわずかなページのはずなんですが・・・・・・

金鵄や光、朝日とは煙草の銘柄で、金鵄は現在のゴールデンバットです。
金鵄01
ゴールデンバットは1906年発売開始、と
日本国内で現在販売されているものの中では最も古いです。
それと同時に喫煙家たちの間では日本で一番安い煙草とも知られています。
数年前から煙草のパッケージには健康を害する旨の警告文が
掲載されるようになりましたが、ゴールデンバットのパッケージデザインはレトロで人気があり、
「仕方がないこととはいえゴールデンバットだけに限っては、無粋な警告文を掲載しないで
元のままのパッケージであって欲しかった」という声は喫煙者だけでなく、非喫煙者からも数多いです。


さて、今回そのゴールデンバットで何をするのかと言いますと、
日本軍の雑嚢の中身復元プロジェクト第一弾「金鵄を復元しよう」ってえ格好です。
別に「当時からある煙草」という条件だったら恩賜の煙草というものがありますが、
あくまで今回の雑嚢は、「一般的な兵士の雑嚢」が目標です。
恩賜の煙草01
恩賜煙草を一介の兵士が一箱も持っていたら変ですので、金鵄ということに相成りました。
他のいわゆる「軍隊タバコ」はちょっと調達のハードルが高いですし・・・・・・

かつては軍の支給品・酒保取り扱い品に煙草がありました。
禁煙の風潮の強い昨今では「煙草の支給などもってのほか」という意見が強いですが、
戦場においての煙草の役割は嗜好品としてだけでなく、
分解して水に溶かせれば即席の虫除けとして使えますし、また、
戦友同士、あるいは戦地の原住民との間で通貨として使ったりもできる便利グッズなのです。


因みにソ連邦崩壊後の混乱期のロシアではマールボロが
通貨として人気の高い(≒有効な)煙草だったそうです。




本題。


当時のゴールデンバットと金鵄の箱を調達してきました。
金鵄09



ゴールデンバットのものは七銭(左三つ)のものと八銭(右三つ)のものがあります。
金鵄10
七銭のものと比べて八銭のものは金色部分がややくすんでます。
八銭に値上がりしたのはたしか昭和14年ごろだったかと。


名称を「金鵄」に変更したのがたしか昭和15年。
そこからはとんとんと値上がりして行きました。
さらに大東亜戦争が開戦すると「戦時負担額」なんてものが増額されます。
また、印刷もインク数を減らしたり、
随分簡素になっていきます。
今回の金鵄の箱は九銭と十銭で、大東亜戦開戦直前ごろのものです。


内箱の「きんし」の文字もインク色数の減少に伴い、
茶色から緑色に変更されています。
金鵄16



九銭のほうの金鵄の箱の裏にはなにかしらの印が押してあります。
金鵄06
ややにじんで、また、薄くなっているため読めそうもありません。
軍によって買い上げされたタバコには「軍用」と印刷してあるもの以外に、
こういった印が押してあるものも存在しているそうですが。
まあ、これが果たして軍による買い上げを意味するのかは分かりませんが。



箱の構造は、外箱、内箱、薬包紙です。
金鵄02


ショートピースのそれに似ていますね。
金鵄04


では詰めてみましょうか。


「金鵄」になってからは細巻になるので、旧来・現行のものでは少々寸法が合いません。
金鵄08



しかし、何とか十本詰められました。
金鵄05


ただ、外箱に結構がたが来ているので、一本減らすことにします。
金鵄07
そもそも折り目から見るに、正規の位置で折られずに長年保管されていたような感じですし。



余談ですが、ゴールデンバットの調達の際のこと。
地元ではどこへ行っても売っておらず、いっそのこと「しんせい」で妥協しようとしたら、
それも売っておらず、三軒目のタバコ屋では年齢確認とは別に
「あんた幾つだww」と御爺さんに笑われましたw



因みに、金鵄自体は当時も最も安価だったので、
よく慰問品として内地から戦地に送られていましたが実際のところ、
「美味くないのでもらってもあまり嬉しくない」と評する兵隊が殆どだったそうです。


また、当時兵隊たちは煙草は鉄帽と略帽の間のわずかな隙間に入れていたそうです。
なんでも、雑嚢に入れておくと川を渡ったりする際に水に濡れて、
使い物にならなくなるのでそこにしまっていたそうな。
他にも葉書なども場合によってはそこに収納したそうです。



七銭のゴールデンバットにも詰めてみましょう。

ゴールデンバットの内箱が欠損していたので、
適当な厚紙を切り出して、自作してみました。
金鵄11
ゴールデンバットは戦前も現行のものと同じ径なので、ぴったり収まってくれました。
薬包紙が手に入らなかったので紙箱にそのままタバコを突っ込んでますがw

にしても、金色に印刷されてて、たいへんきれいですね。
とてもじゃないですが、最安価のタバコには見えそうもありません。
しかし、実際に当時から最安価のタバコなんですよねえ・・・・・・



さて、いかがでしょうか。
金鵄12
最終的には金鵄の箱のコピーを取って、複製してみたいところですね。
これを持って、喫煙所に入って、一丁格好付けてみるのも面白そうです。



余談ですが、これを買った際に、包み紙として使われていた紙なのですが、
金鵄15
どうも新聞の投書欄らしい感じのものです。



中々に小粋ですね。
金鵄13
しかし、何の紙面なのか分かりません。
判明したら面白そうなんですけどね・・・・・・


というか、「なかよしの國、ドイツへ行つたときのことです」て。
金鵄14
ドイツを「なかよしの國」と表したのははじめて見ましたwwww
そりゃ当時は同盟国でしたがwww
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  1. 2013/07/14(日) 17:11:27|
  2. 未分類
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:4
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コメント

ど~も!
こちらの方にも「乱入」しました!

当方は「軍物」の他に「戦争前・中の煙草」にも興味
が在りますので・・・(主に未開封品)

まず、「最安値煙草」ですが私が所持している未開封品で昭和13年頃に
発売された「松の葉:20本入」が
5銭と云うのが在りますよ!

「金鵄」も昭和19年~20年頃になるとパッケ-ジの
色も白黒状態で「戦時価格」が何と35銭!ですよ!
一般国民はそれでも安易には買えないので「芋」「イタドリ」の葉を
乾燥させて吸ったと聞いています。

「軍用煙草」ですが、当方が以前所持・見聞した
軍用煙草では「北支派遣軍」「中支派遣軍」「南支派遣軍」「南方軍」
の文字が印刷された煙草が在りました。
因みに煙草の銘柄は「金鵄」「光」「朝日」「響:ひびき」
でした。

「関東軍「」「朝鮮軍」「台湾軍」はそれぞれに「専売局」が在ったので
独自の煙草を製造したと思われます。
(例)「極光」「朝寿」「南十字星」等等・・・

後軍用煙草の「代名詞」はやはり「誉」でしょうか?
その「誉」も漢字一文字と「ほまれ」のひらがな文字
の二種類が在りますね!

最後に当時従軍した将兵の談ですが、昭和17年の
「シンガポ-ル戦」で英軍捕虜から貰った英軍軍用煙草「ネビ-・キャット」
を吸った人に依れば「日本の煙草」より数段旨いと言っていました。

もう一つ「慰問袋」ですが、大戦中期では「既成の煙草」では無く
「煙草の巻紙」「煙草巻器」が入って居たそうです。

いつも下らない投稿でスイマセン!
では、また!!
  1. 2013/07/26(金) 11:43:09 |
  2. URL |
  3. 参謀本部 #-
  4. [ 編集 ]

>>参謀本部さん
コメントありがとうございます。

最安値は「松の葉」ですか。
20本入りで5銭・・・・・・金鵄などとは比べ物にならないくらい安いですね。

戦時価格35銭・・・・・・
どんどん値上がりしていったとは聞いても詳しい値段が分からなかったもので、
35銭という破格の負担額にただただ驚嘆しきりです。
その頃になると、国民も正規の煙草は金鵄といえど、少々手が届かなくなったのですね。

軍用煙草にもただ「軍用」と印刷しただけのもの以外にも
「中支派遣軍」などの文字が印刷されたものもあるのですね。


イギリス軍と煙草といえば、逆に
イギリス人捕虜があまりの不味さから日本軍の煙草を貰っても決して吸わなかった、
という逸話も耳にしたことがあります。


そして慰問袋の中身も既製品から煙草用品に変わっていったのですね。

いやはや、毎度毎度ありがとうございます。
  1. 2013/07/26(金) 21:02:12 |
  2. URL |
  3. 野方 #-
  4. [ 編集 ]

ど~も!

まず、先に投稿した文章の「訂正」をさせて頂きます。
「金鵄」の戦時価格ですが35銭では無く25銭の誤り
でした。(ゴメンなさ~い!)
因みに定価は8銭です。

元陸軍省軍務局長(少将)の生前の言に寄れば
当時、軍で支給される「煙草代」は一般国民から寄贈
された「寄付金」「貴金属製品」を充てられた様ですね!
(今日で云う「特別会計?」でしょうか?)

但し「恩賜の煙草」は別だソウデス。
(最も「皇室」の威厳が在りますからね・・・)

では、また!
  1. 2013/07/29(月) 09:07:59 |
  2. URL |
  3. 参謀本部 #-
  4. [ 編集 ]

>>参謀本部さん

25銭でしたか。
しかしどっちにせよ、元が8銭であることを考慮すると、高価であることには変わりがないですね。

寄付金や貴金属製品ということは、煙草代はいわば「正規の予算」ではなかったのですね。


毎度ありがとうございます。
  1. 2013/07/29(月) 22:21:32 |
  2. URL |
  3. 野方 #-
  4. [ 編集 ]

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