野方工作所

野方幸作が気まぐれで書いてるあれこれ。もしかして無線軍事警察消防鉄道アニメ全分野を一つのブログでカバーするのは不可能じゃないかと思い始めてる。コメントや質問などはお気軽にどうぞ。頂けると狂喜乱舞します

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実物・明治39年制式下士兵卒用外套

旧軍には明治38年制定の「陸軍戦時服服制(通称38式)」というものがありました。
改四五式外套18
38式はその後、明治39年に「陸軍軍服服制」となり、
正式に陸軍の軍装として制定されることとなったのです。

そのため38式とも39式と呼ぶのも正しいのですが、
最初の制定年から取って38式という俗称が広く認知されています。

今回はそんな明治三十九年制定の下士兵卒用外套について。

まずは外観。
三八式外套01
ボタンが4つ足りません。


袖。
三八式外套02
本来、赤い袖線があるはずですが、それもありません。
改四五式の時代まで使われたのでしょうか。


その上風防がありません。
三八式外套03


この頃の風防は縫い付け式だったので直に襟から取り外した跡があります。
三八式外套04
が、随分雑な処理です。
せめて縫いとめておいてほしかった・・・・・・


改四五式外套(画像奥)と。
三八式外套05
目の詰まった羅紗ですが、生地質はあまり良くありません。
ざらざらとしています。
勝手に改四五式外套のような生地を想像していました。


因みにこの外套、改四五式外套よりも重いです。



左胸のあたりに六芒星がかがってあります。
三八式外套06
五芒星なら分かるんですが、何ゆえ六芒星・・・・・・



襟のホック。
三八式外套07
しっかりと錆1つなく現存しています。

しかし、襟の部分の生地が裂けています。
三八式外套08
少々残念・・・・・・


防寒襟用の穴。
三八式外套09
結局以前紹介した防寒襟はなんだったのか。
未だ分からず。

余談ですが、私の記憶が確かならこの穴は明治35年以前は下士卒外套にはありません。
が、八甲田山遭難事件を期に下士卒にも防寒襟が支給されるようになり、
穴を開けるようになった・・・・・・と思います。





階級章留め。
三八式外套10

三八式外套11
一部は残っていますが、外れている部分もあります。
幸いにも残っている部位から、
どのようにして縫いとめてあったのかが分かりました。
他の軍衣袴の補修も捗りそうです。


手持ちの階級章を付けてみた。
三八式外套12


四五式軍帽と。
三八式外套13
そういえばこの外套はまだ四五式軍帽が二種帽と呼ばれている時代のものでしたね。


一応こっちの二種帽とあわせるのも間違いではなかったかな?
三八式外套14



背面の帯革吊りとボタンはありません。
三八式外套15
どうにも外れてしまった、という方がしっくり来ます。


右は随分と補修した跡があります。
三八式外套17



ベンツのボタンもありません。
三八式外套18
一部は生地ごと取れてます。



記名布と検定印。
三八式外套19
記名が多いですね。

見た感じ4,5人はこの外套を使用したことになります。
持ち主がころころ変わっているあたり、下士官ではなく兵卒に支給されたものでしょう。
兵役は2年間なので、使用者が4、5人であることから、
単純に考えると8~10年ほど使用されたことになりますね。

明治三十九年式は、四五式になっても外見上の違いは特になく、その上袖線さえ取ってしまえば
寸法はともかく改四五式の改正にだって対応できます。
通算して25年近く継続利用できるので、5人程使用していても別段なんら不思議はありませんね。


明治四十年九月製作とあるので、今回は題名を三八式外套ではなく三十九年制式外套としました。
三八式外套20
でも今後は面倒だし三八式外套と呼ぶかもしれない。



所属は不明ですが、下の方の記名布によると
少なくとも寺内祐さんは「歩九ノ六」、
つまり歩兵第九連隊(京都)の第六大隊(中隊?)所属だったことが分かります。
三八式外套21



改三号というのは寸法でしょうか。
三八式外套22
納入業者名は薄れており読めません。
被支検とあり、京都の連隊名があることから、陸軍被服廠大阪支廠での検定、
いわゆる大支検定でしょう。


装の字らしいものがありますが、よく分かりません。
三八式外套23


この印は何とあったんでしょうね?
三八式外套24




右腰ポケットからボタンが出てきました。
三八式外套25
予備のものでしょうか。


因みにボタンは四五式のものと比べるとかなり大振りです。
三八式外套26


構造も異なります。
三八式外套27



ものはついで、と明治十九年式にも合わせてみました。
三八式外套28
多分寸法的にもこのボタンであってるんじゃないでしょうか。





ところでこの外套、ほつれや生地の破れはありますが虫食いがありません。


もはや奇跡的です。

大切にしてやろう。
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  1. 2013/05/25(土) 01:04:56|
  2. 日本軍
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:5
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コメント

これは

貴重な外套ですね。大事にされてください。
  1. 2013/05/25(土) 23:00:15 |
  2. URL |
  3. milch #-
  4. [ 編集 ]

こんばんは!^^

明治期の外套ですか!これは凄いですね!
自分の持っている軍服は古くてもWW1後(日本の元号にすると大正期でしょうか)なので
びっくりです!

今後も大事にして上げてください^^
  1. 2013/05/25(土) 23:59:34 |
  2. URL |
  3. Friedrich #-
  4. [ 編集 ]

>>milchさん
ありがとうございます。
ただでさえ貴重な外套ですからね。
状態がとみに良好ですので、
それこそわずかな虫食いの一つでも作ってやるもんかと息巻いております。

>>Friedrichさん
ありがとうございます。

自分でもびっくりするぐらい状態がよく、実際かなり驚いています。

いやはや、最近二次戦前もそうですが、明治熱も高まってきておりまして。
明治十九年式外套や明治22年式下士卒用夏衣袴など
一度は現物を拝んでみたいものがちょくちょく・・・・・・

そしてもうじき梅雨ですからね。
虫食いの発生はもちろん、カビの発生からも死守する所存です。
生地の裂けなども少しありますから、絶対にこれ以上悪化させまいと、
湿気との開戦準備に大わらわです。
  1. 2013/05/26(日) 01:23:24 |
  2. URL |
  3. 野方 #-
  4. [ 編集 ]

ど~も!
また、「乱入」しました!(お許しを・・・)

野方さんのプログの外套は明治19年制定の下士卒用外套ですね!

当方の読み間違えかと思いますが、下士卒の襟の穴は明治25年頃から
(毛皮を縫い付けるて襟部に紐が付き)付く様になっていますよ!

参考までに「日清戦争」時の陸軍下士卒の写真を
掲載させて頂きます。

http://pub.ne.jp/cosmic/image/user/1369611895.jpg
http://pub.ne.jp/cosmic/image/user/1369611901.jpg

因みに映画「八甲田山」の外套は「改四五式」の外套では無いでしょうか?
明治時代には風防(フ-ド)は将校用以外では有りませんし、外套の袖口には
後の「防寒外套」の様な毛皮が付きます。

また、野方さんの外套は「大争東亜戦」時まで着用されたと思います。
左胸?の六芒星(京都第16師団下の部隊が使用したかも?)は多分、
大争東亜戦中期頃から使用された「部隊章」では無いでしょうか?

当時満州・北支から南方戦線に転進した下士官・兵に南方被服では寒いので
「輸送船」の中で支給した事が在った様です。

その折に後腰部の革帯留(L型の真鍮金具)を除去
された可能性が有りますね!(実用で使用するので在れば除去はしないでしょうから・・・)

毎度、お粗末でした!
  1. 2013/05/27(月) 01:40:25 |
  2. URL |
  3. 参謀本部 #z8Ev11P6
  4. [ 編集 ]

>>参謀本部さん
こんばんは。

明治十九年式外套は濃紺羅紗、釦は5個一列、風防は縫い付け式、と伺ったことがあるのですが、
こちらが十九年式外套でしたか。

画像の兵士たちは所謂毛布外套と呼ばれる毛布地の外套を着ているのではないでしょうか。


防寒襟の穴は明治25年ごろからですか。
それは知りませんでした・・・・・・ありがとうございます。

映画八甲田山は最近見返してみたんですが、確かにあれは袖に赤線の入った、
三八式か四五式外套のようなものを着ていましたね。

しかし、輸送時のみとはいえ明治期の外套を大東亜戦まで使いまわしていたんですね・・・・・・
  1. 2013/05/27(月) 23:05:05 |
  2. URL |
  3. 野方 #-
  4. [ 編集 ]

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